今からちょうど十年前の六月、僕は劇団少年社中の育った場所、早稲田大学演劇研究会に入会しました。リュックに寝袋とヘッドホンステレオと着替えを詰めて、アパートを引き払ったその足で埼玉の越谷から自転車で大隈講堂に漕ぎ出しました。
新人稽古のはじまるお昼には間に合いましたが、道中、勿論引き返すつもりも引き返せる家もないのに、ペダルの一漕ぎ一漕ぎが、戻れない道をより確かにするようで、胸が詰まる思いだったのを今でもよく覚えております。
でも、それからの毎日は、今日に至るまで、夢のような毎日でした。
演劇研究会のアトリエには、ちょうど今より十歳若い、作・演出家の毛利さんをはじめ、井俣さん、大竹さん、岩田さんがいらして、今日のような雨の中、みんな今と同じ汗を流しました。それがまるで昨日のことのようで、あれきり僕の時間は止まっていたのかもしれないと、稽古場で日々感じています。
今回の少年社中のお話はネバーランド。
演劇の世界に飛び込んだ日の自分と、十年後の今、あの少年社中の方々と【時間の止まった夢の島】で再会できるこの境遇を、物語に投影せずにはいられません。
同期である堀池さんはリーダーシップをとっていたあの頃よりもずっと頼もしくなっていて、当時はそういう全てが悔しくて羨ましくてならなかったのに、今ではすごいなあそれ真似したいなあと素直に思えて、それにその一年後所属の廿浦さん、森さん、加藤さんも今では僕よりずっとしっかりしていて、たまたま僕が一年先だったからって威張っていたあの頃を、恥ずかしくも申し訳なく思うと共に、今稽古場では彼らにひとつひとつを教わっております。
時間というのは、本当に不思議でなりません。
今までずうっとお客さんの立場でファンだった少年社中。いちファンの僕にとって、ちょっとやそっとじゃ満足しませんが、この作品はきっと、少年社中の代表作のひとつになるだろう程の、素敵なお話です。
稽古場で泣いてしまったのはいつぶりだったか、感動のストーリーラインと、凄い音楽と衣装と舞台セットとアクションと‥愉しみにしていただけたらと思います。
青山円形劇場に沢山のお客様がお越しくださるのを祈ってやみません。
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2015年、少年社中は17才!



こんな
長い写真見たことネーぞ
いろいろサンキュ!!
写真も長いけど、文もながいね♪
おもいがあふれちゃってるね☆
かおがこわいけど。
よろしくぅ!
デ
唐橋さんのお話を読んで、ますます楽しみになりました。
初日、うかがいます。
唐橋さん、みなさん、頑張ってくださいね。
私ももうすぐ唐橋さん、社中のファン歴10年だ(^-^;